松本雄貴のブログ

本。映画。演劇。旅。

2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧

52回目「ダブリナーズ」(ジェイムズ・ジョイス 柳瀬尚紀訳:新潮文庫)

先日、祖母が亡くなった。通夜の前日、自分は祖母と一緒の部屋で寝た。葬儀会館に祖母を一人で残せないため、自分が祖母と一緒に留守番をしたのだ。祖母が眠っている横に布団を敷き、一夜を明かした。文字通り、死者に寄り添ったのだ。 祖母との思い出に浸り…

51回目「アメリ」(ジャン=ピエール・ジュネ監督)

『アメリ』は、当たり前だが「アメリ」という名前の女性が主役の映画だ。 『アメリ』は公開当時、一大ブームになったらしい。詳しくは知らないのだが、アメリのファッションを真似したり、生活スタイルを真似したり、劇中でアメリが食べるクレームブリュレが…

50回目「カンガルー・ノート」(安部公房:新潮文庫)

『カンガルー・ノート』を最初に読んだのは中学生の頃だ。途中から意味が分からなくなり、読了するのが苦痛だった記憶がある。その後、安部公房の小説は『砂の女』『他人の顔』『飢餓同盟』『箱男』『燃えつきた地図』などを読んだ。これらは、『カンガルー…