松本雄貴のブログ

本。映画。演劇。旅。

88回目「ももたろう」(ガタロ―☆マン)

4歳の甥っ子へのプレゼントに絵本でも買ってやろうと、書店内をうろついていると偶然、この『ももたろう』を見つけた。昔話に『ももたろう』なんて、あまりにベタ過ぎるので、普通なら手に取る事すらしないと思うのだが、どこかで見覚えのある絵に「まさか」と思い、作者名を見ると「ガタロ―☆マン」とあった。

あの漫☆画太郎である。漫☆画太郎の漫画については、以前、このブログでも取り上げた。彼の書く漫画は大好きだが、まさか絵本はダメだろう。子供の教育に悪すぎるだろう。・・・と思ったのだが、好奇心と怖いもの見たさが手伝って購入した。しかし、これをそのまま甥っ子に渡すわけにはいかない。検閲が必要だ。自分は部屋で一人、ガタロ―作の『ももたろう』を読んだ。心配は杞憂だった。心配どころか、子供の情操教育にとって、これほど最適な絵本も中々ないのではないか、と思うくらいに感動した。

なんというか、愛と優しさに溢れているのだ。従来の漫☆画太郎の漫画から「下劣なもの」の全てを排除し、濾過すれば、こんなにも純粋で優しさに満ち溢れた絵本ができるのかと、感動したのだ。とりわけ、鬼の扱い方が素晴らしい。本家の「桃太郎」よりも数倍良い。

最近、コロナとか戦争とか気の滅入るニュースが多い。そんな時、この『ももたろう』を読めば少し笑えて、幸せな気分になれると思います。