松本雄貴のブログ

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65回目「JAM」(THE YELLOW MONKEY) 「ディズニーランドへ」(BLANKEY JET CITY)

よく人から「電気グルーヴとか好きそう」と言われる。何故そう言われるのか分からない。正直、電気グルーヴはあまり聴かない。『電気グルーヴ20周年の歌』は面白いと思う。PVも面白い。卓球のソロも好き。でも、それくらいである。

現在、大炎上している人物に関しては、取り敢えず家にCDもレコードも無かった。スマホに1曲だけ過去にダウンロードした曲が入っていたが、そちらは速やかに削除した。この件は「作品に罪はない」とか「アーティストの人間性と作品は分けるべき」なんて陳腐な言葉で擁護できるレベルではない。ともかく自分は、この人の音楽は一生聴かないと決めた。同系統の音楽が聴きたくなったら、ブライアン・イーノとかクラフトワークで代替する。ちょっと違うけど…。

で、今回ご紹介させて頂くのはイエモンの「JAM」とブランキーの「ディズニーランドへ」だ(失礼は承知だが、愛着の意味を込めてバンド名は略称で表記させて頂く)。イエモンブランキーは、自分にとって青春だった。イエモンは一度解散したが、数年前に再結成した。ブランキーは解散したままだ。どちらのバンドも小6くらいに知った。二十歳を越えてからは少し疎遠になった。それでも両バンドとも、インディーズから解散直前までにリリースされたアルバムを全て持っている。バンドが解散してからは、各々のメンバーがソロで活動をされたり、別のバンドを組んだり、他人に楽曲を提供されたりと幅広く活躍されていたが、自分はやはりイエモンの4人とブランキーの3人で奏でる音楽が一番好きだった。ロビンはイエモンの演奏で歌うのがやはり一番妖艶だし、ベンジーブランキーの真ん中でギターを弾きながら歌うのが一番格好良い。

で、自分が一番好きなのは2人が書く歌詞である。

イエモンの『JAM』は、イエモンの代表曲の一つなので沢山の人が知っているだろう。ブランキーの『ディズニーランドへ』は、シングル曲ではないがファンの間ではかなり人気の高い曲だ。

どちらの歌詞も、頭でっかちな社会批判になりかねない偽善性を含んでいる。詞なのに、説明的な言い回しも多い。批評性すらない中身がスカスカな歌詞や、貧弱な語彙のためありきたりで説明的にすらならない歌詞が昨今のJ-POPを中心に蔓延っている中、『JAM』の批評性やベンジーが書く詞の独特の回りくどさは、それはそれで美点だが、そんなことは関係ない。評論家の貧乏臭い分析を黙らせるロック魂がある。そこに得も言われぬ格好良さがあるのだ。世の中の真実を恥ずかしがらずに真っすぐに叫ぶ格好良さがある、というのも少し違う。理屈抜きに格好良いのは勿論なのだが、強かな戦略と知性、センスの良い言語感覚、唯一無二のオリジナリティ、そういったものも感じられる。

好きな物を褒めるのは、なんだか難しい。とにかく、イエモンには豊富な人生経験からくる余裕と色気と茶目っ気と遊び心と渋みがある。そして、たまに見せるニヒルな顔にドキッとする。ブランキーには、少年のようなピュアさ、無邪気さ、哀しさ、切実さ、鋭利さがある。暴力性の裏に優しさが垣間見える。初めて聞いた時は、グレッチでぶたれたような衝撃だった。

 

BANG!

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