松本雄貴のブログ

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28回目 旅の記録:インド編①

「ソーシャル・ディスタンス」「新しい生活様式」「ウィズ・コロナ」

コロナ禍で言われだしたこれらの言葉を使うことに違和感と抵抗がある。

 

「ソーシャル・ディスタンス」は「社会的な距離」という意味だが、本来、人間は寄り添う事によって社会を形成してきたはずだ。テレビ番組を見ていても、出演者たちが、一定の距離を置いて座り、「ソーシャル・ディスタンス」を侵さないように気を遣いながらトークをしている様子が、なんとも虚しく感じる。

 

「新しい生活様式」は「一時的な生活様式」であってほしい。オンライン会議とかオンライン授業などは、確かに無駄がなく便利かもしれないが、オンライン飲み会は、やはり慣れない。宴会くらいは、リアルで会ってやりたいものだ。コロナが終息した後も、オンライン○○は残るのだろうか。

 

「ウィズ・コロナ」という言い方は事実上、コロナに人類が敗北したのを認めた事にならないだろうか。「ウィズ・コロナ」ではなく、「アンチ・コロナ」の気概でありたいものだ。少なくとも、コロナと共存などはまっぴらだ。

 

それはさておき。

今から7年前、2013年の夏、前の職場を辞めて約2カ月弱、プチ・バックパッカーのようなことしていた。沢木耕太郎の『深夜特急』に憧れて、20代のうちに長期の貧乏旅行をしてみたいと思い立ったのだった。

 

当時の自分の旅を、記憶を遡りながら紹介しようと思う。

今回はインド編だ。

 ①ニューデリー

インドの首都で、自分が最初に訪れた街。はじめてのインドで、ご他聞に漏れず様々なカルチャーショックを受けた。空港に着いて、ターミナルビルを出た瞬間、すでにインドの空気が充満していた。まず、何をすればよいのか「地球の歩き方」片手に右往左往していたところへ、何人ものインド人が親切を装って話しかけてくる。

鬱陶しさを感じながらも、「あぁ、ついにインドに来たのだ」と、感慨に耽る、、という暇は正直無かった。

 

安宿が密集するパハールガンジという場所に、なんとか辿り着いた。

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パハールガンジの路地裏

 一日目だし、ゆっくりとしたかったので、安さよりも清潔さに重点をおいてゲストハウスを探したが、なかなか見つからなかった。結局、清潔さは妥協して、安さが売りの「ナブラン」というゲストハウスに決めた。このゲストハウス、今でもあるのだろうか?

荷物を置いて、しばらくパハールガンジ周辺を散策する。

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道の真ん中に寝そべる牛

 

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バナナ売り

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カレー屋に長蛇の列

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屋外の散髪屋

 

インド初日は、このように観光もせず、一日中歩き回った。インドの街歩きは面白い。しかし、それ以上に疲れる。元々、デリーには2日ほど滞在してすぐにアーグラーに行く予定だったが、結局5日ほど滞在してしまった。滞在中はオールドデリーにも足を延ばした。

街中では、老若男女問わず本当に沢山のインド人に話しかけられた。1歳に満たない赤ん坊を抱いた女性に、右手を差し出された。こういう場合、他の人はどうするのだろう? 自分は一度無視したのだが、なんだか感じる必要のない罪悪感を感じてしまう。罪悪感を感じたまま、旅をするのは居たたまれないので、次に物乞いが自分に右手を差し出した時は、いくらか恵んでやろうと決心する。

早速、来た。ボロボロの服を着た老婆だった。ここぞとばかりに、100ルピーを数枚恵んでやった。老婆は「ありがとう」も言わず、ごく自然に数枚の100ルピーを受け取り、表情も一切変えないまま、歩いて行った。

これまた、居たたまれない気持ちになった。お金を恵んだのに感謝もされないこともそうだし、感謝をされないことに苛立つ自分に腹が立った。相手の感謝を期待して行う親切は、実は最も卑しい行為なのではないだろうか、などと自己嫌悪に陥る。

物乞いに施しても、施さなくても、別の種類の自己嫌悪を抱いてしまう。インドでは、こういう事がよくあった。結局、インドを旅するうえで一番良い方法は「なにも考えないこと」であると、悟った。その時の感情に任せてやればいいのだ。

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無垢な子供も「マネープリーズ」と言ってくる

インド初日は、こんな感じで過ぎていった。
デリー滞在中の5日間は、インド初心者が陥りがちなベタだけど、けっこう危険なトラブルに巻き込まれたが、それはまた機会があれば紹介する。

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デリーで食べたカレー

デリー最終日は、お洒落なカフェでチャイを飲み、クラブインディアというレストランで食事をし、旅行代理店でアーグラー行きのチケットを買い、ぐっすりと眠った。

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デリーの喧騒と人ゴミ

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宿の部屋から、街並み

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デリー最終日のカフェとクラブインディア、最後の写真は、忘れた。

翌日、列車に乗ってタージ・マハルがある街アーグラーに訪れたのだが、また次回に。。

 

 

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